デリバレット・プラクティスについてまとめました
こんにちは、Raccoonです。
デリバッレト・プラクティスというものをご存じでしょうか?
普段聞きなれない名前だと思いますが、要約すると、意図的,計画的で高度に構造化された練習のことを指します。このデリバレット・プラクティスは、どんな分野の技術を習得する時でも大事な要素です(例:スポーツ、音楽、アート)。
今自分が大学院で行おうとしている研究とも関連している内容なので、今回はデリバレット・プラクティスについて簡単にまとめてみました。
コーチや先生などの役に立つ情報になれば幸いです。
今回は、主に2つのことに焦点を絞ってまとめました。
1、デリバレット・プラクティスとは
2、スポーツにおけるデリバレット・プラクティス
デリバレット・プラクティスとは
先にも書いた通り、デリバレット・プラクティスとは意図的に計画立てて行う練習のことです。
もともとは、1993年にDr.Ericcson達によって発表されたフレームワークです。
(Ericsson, K. A., Krampe, R. T., & Tesch-Römer, C. (1993). The role of deliberate practice in the acquisition of expert performance.)
その研究でDr.Ericcsonのチームは、バイオリンとピアノ奏者達を彼らの練習についてインタビューしました。ちなみに、インタビューされた奏者達の半分は将来有望な奏者達、もう半分は技術的に劣る、音楽の先生を目指す奏者達でした。
この2つの音楽家たちのグループの練習内容を比較したところ、全体の練習時間は変わらなかったものの、将来有望な奏者達の方が1人で練習する時間が多いことが分かりました。
要するに、将来有望な奏者達はデリバレット・プラクティスをしていた時間が、音楽の先生を目指していた奏者達よりも多かったことが分かりました。
ひとりでの練習=上達を目標にした意図的な練習=デリバレット・プラクティス
ここから分かったのが、デリバレット・プラクティスを行う総時間数によって技術の習得度合いが違うのでは、ということです。
まとめると、意図のはっきりとした計画的な練習を積み重ねることで、練習している分野の技術を最大限(例:プロレベル)まで習得できるようです。
スポーツにおけるデリバレット・プラクティス
もちろん、デリバレット・プラクティスはスポーツの分野でも研究されています。
有名なのは、10,000時間と10年間ルールでしょうか。
2000年に発表されたDr.Rossumの論文でも提唱されたものです。
(Rossum, J. H. (2000). Deliberate practice and Dutch field hockey: An addendum to Starkes.)
これは、ひとつの競技でエキスパートになるためには10,000時間、または10年間のデリバレット・プラクティスが必要、というものです。このルールはどちらかの条件を満たせばよいということではなく、10,000時間のデリバレット・プラクティスを行うには、約10年間はかかかるよ、ということです。
スポーツも音楽と同じく、キチンと技術の上達を目的とした練習を長期的に(10,000時間、10年間)積みかさねることで、プロレベルの技術を習得できるのです。
まとめ
ここまで、デリバレット・プラクティスについてまとめてきました。こんなの単純な話じゃん、と思う方も多いと思います。
ただ、デリバレット・プラクティスの研究から分かる大事なことは、子供を育成する時は長期的に考えてあげることだと思います。
説明してきた通り、音楽、スポーツに限らず、何かを習得することには時間がかかります。なので、子供達を教える時には長期的なプランを立てて、計画的に技術の習得を目指した練習を行わせることが、上達につながります。
また、親御さん達は焦らずに、子供たちが楽しみながら練習できる環境を作ってあげることが大事だと思います。デリバレット・プラクティスは必ずしもいつも楽しいものではありません。なので、子供たちが楽しみながら練習できる環境を周りの人間(コーチも含め)が作ることで、子供達は向上意欲を持って練習を続けられるようになるはずです。
少し話が逸れましたが、デリバレット・プラクティスはどんな分野であれ、上達するのには欠かすことのできないものです。大事なことは、長期間継続して意識的に練習することです。
継続は力なり。